新型コロナウイルス感染症について

  • 2020.10.02

先日、名古屋で新型コロナウイルス感染症に関する勉強会がありました。東海地方で活躍されている感染症の先生方から貴重な情報をいろいろと教えていただきました。専門の先生方が共通して言われるのは、「新型コロナウイルスを正しく恐れる。」ということでした。

一番に強調されていたのは「空気感染しない。」ということです。空気感染とは、いっしょしょにいるだけでもうつってしまう感染で、はしかや水ぼうそうなどが有名です。新型コロナもインフルエンザと同じ「飛沫感染・接触感染」が主な感染経路になるので、マスクと手洗いが何よりも重要だと強調されていました。「飛沫感染」とは咳やくしゃみでウイルスを飛ばして、それを吸い込んでうつることを言います。新型コロナの場合は、大声を出すことが飛沫感染のリスクになりますね。したがって、マスクを外して大声でしゃべるような環境で、爆発的な感染が広がっています。逆に言うと、みんな黙っているような環境(例えば電車の中)では、ほとんど感染は起こっていません。なので映画館など、周りが声を出さない環境では、自粛がどんどん解除されていますね。「接触感染」は、ドアノブなどについたウイルスを触って、その手を目や鼻、口元にもっていくことで感染すること。これは手洗いで予防できますね。

新型コロナウイルス感染症を疑う場合は、大事なのはPCR検査ではなく、行動歴だということも強調されていました。症状の出る1-2週間前に、マスクを外して大声を出すような環境にいたことはないかということです。私も若い方の発熱では特に注意して聞くようにしています。

興味深かったのは、新型コロナは無症状の人が多いが、最初からずっと無症状の人は他の人にあまり感染させないかもしれないということでした。症状の出る人が、その1-2日前から感染させる可能性が高いことは以前から指摘されていますが、若い人で症状がずっとない人は感染源になる可能性が低いかもしれないといいうのは朗報です。これは症状のあまり出ない子どもたちにも通ずることです。

ワクチンができるまで、重症化しやすいご高齢の方への感染を防ぐために、引き続き皆さんで感染対策を行っていきましょう。必要以上に恐れる必要はありません。大切なのは人込みでのマスクと手洗いです。

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